入門編 写真

ティールオレンジはなぜ流行ったのか ——写真と映像の色が人の感情を掴んだ理由——

Haseda

1986年生まれ。 フリーランスの人。 カメラと音楽をこよなく愛する都内在住者。 現在「動画編集」メインの左利き。 プライベート作品はSNSで公開中。 愛機はSONYとFenderのテレキャスター。

ティールオレンジはなぜ流行ったのか
——写真と映像の色が人の感情を掴んだ理由——

「ティールオレンジって、なんでこんなに流行ったの?」

写真や映像を触り始めた者なら、一度は抱く疑問だろう。
映画っぽい。おしゃれ。雰囲気がある。
だが流行は、偶然ではない。

結論から言おう。
ティールオレンジが流行った理由は、
人間の視覚と感情に、極めて相性が良かったからだ。

ティールオレンジとは何か

ティールオレンジとは、
影を青緑(ティール)に、
肌や光をオレンジ寄りに分離する色表現のこと。

暖色と寒色を強く対比させることで、
被写体を立体的に、ドラマチックに見せる。

重要なのは、
これは「奇抜な色」ではなく、
人間の視覚構造に沿った色分離だという点だ。

人の肌は、なぜオレンジが映えるのか

人の肌はもともと、
赤〜オレンジの波長を多く含んでいる。

そこに影として
青緑を置くとどうなるか。

肌は自然に前へ出て、
背景は後ろへ下がる。

つまりティールオレンジは、
被写体を目立たせるための
理にかなった色設計なのだ。

これはセンスではなく、理屈だ。

映画から写真へ流行が降りてきた

ティールオレンジは、
もともと映画のカラーグレーディングで多用された。

理由はシンプル。

・大画面でも人物が埋もれない
・感情表現が強くなる
・昼夜問わず使いやすい

ハリウッド映画を通して、
「この色=かっこいい」という共通認識が生まれた。

その価値観が、
YouTube、SNS、写真へと降りてきた。

LightroomとSNSが流行を加速させた

もう一つの理由は、
誰でも再現できるようになったことだ。

Lightroomの登場により、
専門職だけの技術だった色編集が、
個人に解放された。

さらにSNS。

一瞬で「映える」色は、
スクロールの指を止める。

結果、
ティールオレンジは
評価されやすい色として拡散された。

ティールオレンジは万能ではない

ここで誤解してはいけない。

ティールオレンジは、
正解でも万能でもない。

・やりすぎると不自然
・被写体によっては合わない
・量産されると没個性になる

だからこそ、
最近は「脱ティールオレンジ」という言葉も出てきた。

だが、それは
ティールオレンジが一度“完成形”として
共有されたからこその反動だ。

ティールオレンジが残したもの

流行が終わっても、
ティールオレンジが残した価値は消えない。

それは、
「色で感情を設計する」という視点だ。

なぜこの色にするのか。
何を伝えたいのか。

それを考えるきっかけを、
ティールオレンジは
写真と映像の世界に残した。

色は流行る。
だが、思想は残る。

——茶人時

  • この記事を書いた人

Haseda

1986年生まれ。 フリーランスの人。 カメラと音楽をこよなく愛する都内在住者。 現在「動画編集」メインの左利き。 プライベート作品はSNSで公開中。 愛機はSONYとFenderのテレキャスター。

-入門編, 写真